駄文

ありがとうございました。




先月より参加させていただきました『第2回BOOKFAIR 宇宙の果てのXmas』が昨日にて終了されたとのこと。
期間中は多くの方にお読みいただいたようで、本当にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。

当初の予定通り、リンク先ブログは本日12時をもって閉鎖させていただきました。
拙作「ポインセチア」につきましては当ブログの駄文カテゴリー内に転載いたしましたので、再度お読みになりたい方がいらっしゃいましたらそちらからお願いいたします。


…これでまた当分、お話を書くことはないかなぁと思っておりますが。
気分屋のワタクシなので、ふと思い立って突然何かを書いちゃう…こともあったりするかもしれないし、ないかもしれません(笑)
もしも何かを公開することがありましたら、その時はまたお付き合いいただけると嬉しいです。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。



「ポインセチア」





「クリスマスって、なんで赤と緑なんだろう?」

すれ違いざまに聞こえた誰かの声に、思わず足を止めて振り返った。
遠ざかっていく恋人たちは、腕を組んで楽しそうに歩いていく。

何気なく出かけた冬の街。
イルミネーションに包まれて、様々な装飾が施された街はすっかりクリスマス色に染まっていた。
すれ違った恋人たちの言葉……いつか同じ言葉を聞いたことが確かにあったことを瞬時に思い出す。
そして、その記憶に弾かれるように振り返った時、視界に飛び込んできたのは……花屋の表に並べられた鮮やかな赤と緑のポインセチア。
何かに突き動かされるように、その鉢の方へと引き寄せられていった。

今年のクリスマスは特別なことは何もしないつもりでいた。
古代くんの帰還はきっとクリスマスには間に合わない。
だから、クリスマスの準備なんてしないつもりだった。
もちろんクリスマスが嫌いなわけじゃない。
クリスマスツリーやリース、ケーキにプレゼント。
特別派手なパーティーをするわけじゃないけれど、人並み程度にはクリスマス気分を味わいたい気持ちはある。
でも……一番そばにいて欲しい人がいなければ、クリスマスなんて何の意味もない気がしたから。
古代くんがいないことを、余計に身に沁みて感じてしまいそうな気がしたから。
だから今年は何もしないつもりだった。
それなのに……。
気がつけば腕の中には、クリスマスのラッピングに包まれたポインセチアの鉢を抱えてしまっていた。

                 

                  Poinsettia_2



「そういえば……クリスマスってなんで赤と緑なんだろう?」

ぽつりと古代くんが言った。
イスカンダルからの帰還途中のヤマトの中、地球までの道程を急ぎながら私たちはそう遠くない未来に希望を抱いていた。
青い地球を取り戻したら。
平和な地球が訪れたら……。
その言葉はこの頃の私たちの口癖だった。
残された時間が少ないことへの焦りと不安を抱えながら、それを打ち消すように自然と明るい言葉を放つ。
そんな日々を送っていた。

あと少しで太陽系、というところまでヤマトは進んでいた。
無事に地球へ帰還して青い地球を取り戻し……きっとあっという間にクリスマスを迎えることだろう。
その頃の私たちは、一体どんな状況でその日を迎えるのだろう。
そんな他愛のない会話の中で交わされた何気ない言葉。

「さあ……あまり考えたことがなかったけれど……なぜなのかしらね?」

そう言って古代くんの方へと顔を向けた。
彼は、展望室の窓から星の海を見つめている。
その視線はずっとずっと遠くを見つめているようだった。
私は、古代くんの次の言葉を待ちながら……彼の視線の先にあるものを知りたいと思った。
その瞳は穏やかだったけれど、その中になにか寂しさが混じっているような気がした。
もしかしたら、遠い日の記憶を、幼い頃の幸せな記憶を辿っているのかしら?
それとも、全然別のことを考えているのかしら?
知りたい気持ちが心の中に広がっていくけれど、私はどうしてもそれを聞くことができなかった。
彼の思考を邪魔するのが憚られて……私はただ黙って、古代くんと同じように窓外に広がる宇宙空間を見つめていた。

               Poinsettia_3



あの後……たしか私は別れ際にこう言ったのだと思う。
「どうして赤と緑なのか調べておくわね。」と。
そして私は、なぜ赤と緑がクリスマスの色なのかを調べたのだ。
けれど、それを古代くんに告げることはなかった。
その後に起こったいろいろな出来事と、地球の復興と……慌しい日常の中に、それは埋没していった。
赤はキリストの流した血の色だという。人々の幸せのための自己犠牲の色。
そして緑は永遠の愛、永遠の命。
けれど意味はそれだけじゃない。

赤はエネルギーの色。情熱の色。
勢いのまま行動に移してしまったりもするけれど、その一方でストレスや不満を抱えている状態を表すのだという。
赤色を求めるときはエネルギーを必要としている時で、地に足をつけて現実と向き合う助けになったりするらしい。

そして緑。
緑は安らぎを与えてくれる時間やスペースの象徴。自分の気持ちに正直なことを表すともいう。
そんな緑を求めるときは、本当の自分を追い求める時なのだと。
自分だけの時間と場所を探すときなのだと。

それに……ねえ、知ってた?古代くん。
赤と緑は正反対の色なの。
だから赤は緑を引き立たせるの。
緑は赤を引き立たせるの。
そうして二つの色はバランスをとるの。
例えば赤色のようにまっすぐに飛び出していく時には、緑は穏やかな空間を作り帰る場所となるだろう。
そして緑のように平和な時間の中で真実を追究するときは、もう一方は赤のようにエネルギーを与えるの。
このことを知った時、私は思ったの。
私たちもそんなふうになれるのかしら?って。





              Poinsettia_4




しんと静まりかえった一人の部屋に、クリスマスの香りはどこにもない。
けれどそこにポインセチアを置いただけで、瞬時にこの部屋の空気が変わった気がする。
ふと、夜空を望める窓辺にポインセチアを置いてみた。
窓外に広がる星空をバックに赤と緑のコントラスト。
それはまるで、いつも眺めていた第一艦橋の光景を思い出させる。
前方に広がる宇宙空間。
その手前に座る彼とその親友。
思い出が甦り、胸の奥があたたかくなっていく。

このポインセチアを見たら、あの日の会話の続きができるだろうか。
あの日、遠くを見つめる視線の先に何が映っていたのか、今の私になら聞くことができるだろう……きっと。
どの宇宙を旅していても、何を見つめていても、私はここでずっと待っているから。
心の中でそう呟きながら、私は遠い宇宙へと思いを馳せた。



ポインセチア




メリークリスマス!
みなさま、良いクリスマスをお過ごしでしょうか。

さて。
このブログを始めたのがちょうど3年前のクリスマスイブ。
1周年の時には、まったくもってお恥ずかしいかぎりの駄文を載せてみたわけですが。
久々に今年はひとつお話を書いてみました。
クリスマスイブの更新を目指していたにもかかわらず、少し遅れてしまいましたがなんとか形にすることができました。
久々に書いたのでなかなか調子が出なくて困りましたが、開き直って公開することにしました。
読んでみてもいいかなーという方は下記リンク先へどうぞ。

『ポインセチア』

http://serendipity-cachette.cocolog-nifty.com/blog/


内容は…ユキちゃん視点の短編です。
ただし、申し訳ありませんがこちらのページは携帯からの閲覧ができません。
PCからの閲覧をお願いいたします。


今回、こちらの作品をポトスさまの「地球連邦図書館 宇宙の果て分室」にて開催中の『第2回BOOKFAIR 宇宙の果てのXmas』のリンク書架1につなげていただきました。
そのため、現在こちらの作品は別ブログにて掲載しておりますが、ブックフェア終了後にはこちらのブログに収める予定ですのでご了承ください。
(その時点で上記リンク先ブログは閲覧不可となります)


さてさて。
実のところ、どこかのサイトに投稿するとかそういうことは今後しないつもりでいたのです。
が……私の気持ちを汲んでくださった上でのポトス様からのラブコールに口説き落とされました(笑)
期間限定なので、短い期間なら良いかなぁ…という軽い気持ちでお受けしてしまったわけですが、この程度のものしか書けなくて本当に申し訳ないなぁと思っています。
やっぱりヤマトものは難しいですね。
でもこんなことでもないとなかなかヤマトなお話を書こうという気にならない私ですので、とても良い機会を与えてくださったポトス様には大変感謝しております。
本当にありがとうございました♪


ちなみに、上記リンク先は作品以外のものは何も置いてありませんし、コメント欄も外してあります。
何かございましたらこちらのブログ、またはメールフォームにてご連絡くださいませ。
どうぞよろしくお願いいたします。



メリークリスマス & ブログ1周年



気がつけば、もうクリスマス。
このブログを始めてから、ちょうど1年になりました。
たいした内容もないこのブログにたくさんの方々が足を運んでくださって、大変感謝しております。
これからもどうぞよろしくお願いいたします♪



感謝の気持ちをこめて何かクリスマスプレゼントでも・・・なんて思ったのですが、あいにく何もプレゼントできませんので・・・(笑)
代わりといってはなんですが、ふと思いついた駄文でも載せてみようかと思います。
とはいっても、突然思い立って勢いだけで書いてしまったので、ご期待には副えないしろもので恐縮ですが^^;
少しでもクリスマス気分になっていただければ幸いです。
では、読んでみようかな~という方は<続きを読む>からどうぞ。


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